人名、地名もこれでバッチリ Webフォントで異体字を使おう!

同じ字だけど形が違う?異体字ってなんだろう

漢字の中には、意味や読み方が同じでも文字の形が異なる字が存在し、それを「異体字」といいます。
たとえば兵庫県の宝塚市には「塚」という文字が使われていますが、公式ホームページを見てみると、よく見る「塚」の字より点画がひとつ多い文字の形になっています。

宝塚市 宝塚󠄁市

この「塚󠄁」をPCで入力しようと思っても、Unicode(世界のさまざまな文字をコードで表した業界標準の規格)では、どちらの「塚」も「U585a」というコードが割り当てられており、実際の形は違うのに文字コード上では同じ文字として扱われていますので、PCなどで正しい字体を入力するのは一苦労です。

ささいな違いと思われるかもしれませんが、人名や地名などの固有名詞ともなれば、しっかり正しい文字を表示したいもの。
近年では、ブラウザの表示やフォントが異体字に対応(IVS)したものも増え、Web上で異体字を表示することが可能になっています。異体字の箇所だけ画像を作成して貼り付けるといったことをしなくても、テキストとして異体字を表現できます(この記事中に使われている異体字もすべてテキスト情報をもった文字になっています)。
今回はWeb上での異体字の表示方法についてご紹介させていただきます!

異体字を入力するには

Web上で異体字を入力するには、文字の後ろに「異体字セレクタ」という符号を記述することが必要になります。
異体字セレクタというのは、異体字が存在する文字に対して、どの形の異体字かを指定するための枝番号のようなもので、Web上で使用するためには、HTMLで任意の文字の後に数値文字参照の形(&#異体字セレクタ;)で異体字セレクタを記述します。

宝塚市?宝塚󠄁市?

異体字を表示するには、フォントが異体字の表示に対応していることも必要となります。
TypeSquareでは「AP版」と呼ばれる書体が対応しており、CSS記述名に「AP」とついている書体を使えば、上記の異体字セレクタを活用いただけます。
例:「Gothic MB101 Regular JIS2004 AP」「Ryumin R-KL JIS2004 AP」など

異体字についてもっと知りたい

異体字については、モリサワnoteでも詳しく解説しています。
こちらの記事では、異体字の仕組みや注意点、Adobe Illustratorなどのソフトウェアで異体字を表示させる方法について紹介していますので、ぜひお読みください!

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