
ICT教育の推進や教育DXの加速により、学校現場ではタブレット端末やデジタル教材・授業支援ツールの活用が日常的になりつつあります。
「誰もが読みやすく、学びやすいデジタル教材」の提供が重要性を増していく中で、改めて注目されているのが文字のデザイン――「フォント」です。
デジタル教材における「読みやすさ」の重要性
デジタル教材において、視覚的な情報の受け取りやすさは、学習の理解度や集中力に直結します。従来の紙教材以上に、デジタルでは「読みづらさ」が学習意欲を削ぐ要因になりやすいため、視認性・可読性に配慮されたフォント選びが必要です。
特に以下のような学習者にとって、文字の読みやすさは学習体験そのものを左右します。
しかし、Windows、MacOS、iOS、Androidなど、OSによって搭載されている標準フォントは異なります。同じ教材でも端末ごとに文字の印象や読みやすさが変わってしまうため、内容が正しく伝わらない可能性があります。
また、それぞれの端末に搭載されている標準フォントは、必ずしも教育用途を想定してデザインされていません。文字の形が教育現場に準じた書き方と異なるため、混乱を招いたり誤った文字の形を覚えてしまうおそれがあります。
ICT教育の現場に効果的な「UDデジタル教科書体」
モリサワの「UDデジタル教科書体」は、電子黒板、タブレット端末といったICT教育の現場で効果的な、デジタル教材のためのUD(ユニバーサルデザイン)書体です。
学習指導要領に基づいた「とめ・はね・はらい」などの形状を保ちながらも、ロービジョン(弱視)やディスクレシア(読み書き障害)の方に配慮した書体になっており、デジタルデバイスにおいて従来の教科書体よりも可読性に優れていることが実証されています。

児童生徒のタブレット、自宅のPCなど、さまざまな端末で閲覧されるようなデジタル教材では、教材の品質や、制作者の意図した表現を損なうことがないよう、「誰がどこで見ても同じ文字デザイン」を提供することが重要です。デジタル教材における文字の表示をWebフォントによって実現することで、閲覧環境に依存することなく、教員・児童間での教材共有、家庭学習との連携において学習の公平性を保てます。

おわりに
ICT教育・教育DX化の進む現在においては、「コンテンツ」そのものだけでなく、それをどう届けるか、どれだけ理解しやすくするかが重要になっています。
教育の現場で、ユニバーサルデザインに配慮されたフォントを使用することは、すべての子どもに学びのチャンスを平等に提供する取り組みになります。
これからの教材づくりには、「読む環境」にもぜひ目を向けてみてください。

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