【自治体事例-1】自治体公式サイトをUDフォントで。誰ひとり取り残さない「伝え方への配慮」!『鹿児島県南大隅町』

鹿児島県南大隅町は九州本島最南端の自治体です。2019年7月に「広報南大隅」の紙面にてUD(ユニバーサルデザイン)フォントを使用開始。あわせて、情報発信に配慮した取り組みとして、スマートフォンやタブレット、PCなど、どのデバイスでも同じ書体で表示できるWebフォントを九州エリアの自治体ホームページで初めて導入しました。表示フォントには、すべての人に読みやすく、読み間違えにくいUDフォントを採用しています。
さらに、2020年10月にはSDGsの取り組みとして、さらなる見やすさと読みやすさを向上するために、文字サイズとUDフォントの太さを変更しました。

自治体ホームページへのWebフォントの導入の目的や経緯などについて、企画課 IT推進室 広報IT推進係 笹原さんにお話を聞きました。(以下、敬称略)

北緯31度線上に位置する本土最南端の岬、佐多岬
―南大隅町のホームページとは、どのようなサイトですか?

笹原 南大隅町の公式サイトとして、住民へ行政情報をはじめ、暮らしに関するさまざまな情報を発信しています。南大隅町は地域的にも高齢者が多いため、読みやすさを意識しています。


―TypeSquareを導入された背景を教えてください。

笹原 2019年7月にモリサワ社主催の自治体情報発信セミナーに参加した際、登壇者から熊本地震の経験を踏まえたお話があり、平時はもちろん有事の際の情報発信に必要な取り組みとして、行政サイトはよりスマホ対応が重要であることを学びました。
そこですぐに、誰もがデバイス(情報端末)の種類に依存することなく、発信者の意図する読み間違いしにくい書体で情報を取得できるよう、Webフォントを導入しました。
つまり、住民が所有しているスマートフォンの機種によって、見やすい見にくいの違いがあってはいけないということへの配慮となります。平時はもちろん有事の際の伝わりやすさを意識した取り組みです。

 
―モリサワのUDフォントを選んだ決め手・理由を教えてください。

笹原 南大隅町の広報紙では高齢者や視覚の弱い方への配慮としてすでにモリサワのUDフォントを紙面の文字として使用しており、スマートフォンの画面でも同じく読み手に配慮した書体を使うべきだと考えました。

スマートフォンで見た南大隅町公式サイト 左:書体の太さ変更前 右:書体の太さ変更後
―Webフォントの導入後の取り組みを教えてください。
 

笹原 実は1年後の2020年にUDフォントの太さとサイズを変更しました。
文字の太さは1ランク上の太さを選び、表示する文字サイズも大きくしました。これは高齢者向けに文字表示を配慮しているスマートフォンに習い、より画面上で文字がはっきりと見える太さにすることで、さらなる見やすさと読みやすさの向上を目指しました。これは、SDGs 目標11「住み続けられるまちづくりを」に対する、町の情報発信への取り組みとなります。


―南大隅町様のサイトについて目標や展望を教えてください。

笹原 これまでも取り組んできたことになりますが、これからも 誰もが読みやすく、親しみを持っていただけるサイトを目指していきます。


南大隅町様の情報発信についての取り組みは、地元の新聞にも何度も取り上げられるほど、県内でも先進的な活動として注目されています。その活動にモリサワ製品が貢献できていることをとても嬉しく思います。
本日はありがとうございました。